なとりさんの代表曲を一曲選ぶなら、私は「Overdose」だと思います。
なとりさんを詳しく知らなくても、この曲をどこかで耳にした人は多いのではないでしょうか。
私も最初に知ったのは「Overdose」でした。
静かに歌っているように聞こえるのに、曲が終わったあとも声とリズムが頭に残りました。
その後で「絶対零度」や「プロポーズ」を聴くと、同じ歌手でも曲によって声の使い方が違うことに気づきました。
なとりさんは2021年ごろからSNSで曲を発表し、2022年に配信された「Overdose」で広く知られるようになった音楽クリエイターです。
作詞や作曲も自分で行っています。
ここでは、なとりさんの代表曲と、初めて聴く人にすすめたい曲を紹介します。
「どうしてSNSから人気が広がったのか」という疑問についても、曲を聴いた感想を交えながら考えていきます。
なとりの代表曲はOverdose
なとりさんの代表曲として最初に名前が挙がるのは、「Overdose」です。
「Overdose」は2022年5月にTikTokへ投稿され、同年9月に配信されました。
配信後は日本国内にとどまらず、海外でも聴かれる曲になりました。
なとりさんを知るきっかけになった人が多いことからも、代表曲と呼べる一曲です。
私が初めて聴いたときに気になったのは、声を張らずに歌っているところでした。
歌声で強く引っ張るというより、同じ距離を保ったまま語りかけてくるように聞こえます。
その声の後ろで、細かなリズムが淡々と続いています。
静かな歌声と、少し体を動かしたくなる音が同じ曲の中に入っているところが面白いと感じました。
「Overdose」は、最初から大きな音で驚かせる曲ではありません。
それでも、サビに入るころには自然と曲の中へ入っています。
初めて聴いたときより、二度目、三度目に聴いたときのほうが気になる音が増える曲でもあります。
私は一度聴いたあと、サビだけでなく、その前の低い声をもう一度確かめたくなりました。
SNSで短い部分を知った人が、曲全体を探して聴いた理由も、そこにあるのかもしれません。
なとりさんをこれから聴く人は、まず「Overdose」を一曲通して聴いてみてください。
短い動画で耳にする場合とは、少し違った楽しみ方ができます。
Overdose以外で聴きたい”なとり”のおすすめ曲
なとりさんには、「Overdose」と雰囲気の違う曲もあります。
同じような曲が並んでいるわけではないので、何曲か聴くと自分の好みが分かってきます。
最初におすすめしたいのは「絶対零度」です。
「絶対零度」は、テレビアニメ『WIND BREAKER』のオープニングテーマに使われました。
曲が始まってから終わるまで、前へ進む力があります。
私は「Overdose」の次にこの曲を聴き、歌声の違いに驚きました。
「Overdose」では少し力を抜いた声が耳に残りますが、「絶対零度」では言葉を強く送り出しています。
アニメの映像と一緒に聴くと、曲の速さと登場人物の動きがよく合っています。
朝や出かける前に音楽を聴く人にも合う曲だと思います。
ゆっくりした曲が好きな人には、「プロポーズ」をすすめたいです。
題名を見ると、幸せな恋愛の場面を思い浮かべる人もいるかもしれません。
実際に聴いてみると、明るさの中に少し切なさも感じる曲です。
声の揺れや、少し間を置く歌い方から、言葉にできない気持ちが伝わってきます。
私は夜にイヤホンで聴いたとき、曲が終わったあともしばらく余韻が残りました。
にぎやかな場所で流すより、一人でゆっくり聴きたい曲です。
「フライデー・ナイト」も、夜に合う一曲です。
金曜日という言葉から明るい週末を想像しましたが、曲を聴くと少し疲れた夜にも合うと感じました。
一週間が終わってほっとする気持ちと、まだ頭の中に残っていることが重なります。
私は、帰宅して部屋の明かりをつける前の時間に似ていると思いました。
派手な盛り上がりを求める曲ではありません。
一定のリズムに乗りながら、ゆっくり気持ちを落ち着けられます。
少し変わった音の動きを楽しみたい人には、「猿芝居」もおすすめです。
題名から、どんな曲なのだろうと気になりました。
聴いてみると、歌声の周りで細かな音が動き、曲の途中でも空気が変わります。
私はサビよりも、サビへ向かう途中の音が気になりました。
一度で覚えるというより、何度か聴くうちに好きな部分が見つかる曲だと思います。
初めてなとりさんを聴く場合は、次の順番が分かりやすいです。
Overdose
絶対零度
プロポーズ
フライデー・ナイト
猿芝居
この順番で聴くと、落ち着いた曲、速い曲、静かな曲と、なとりさんの幅を少しずつ知ることができます。
もちろん、順番に決まりはありません。
気になった題名やミュージックビデオから選んでも楽しめます。
なとりの音楽がSNSで広がった理由
なとりさんの音楽が広がった理由には、SNSで曲を発表したことが関係しています。
ただ、SNSへ投稿すれば、どの曲も多くの人に届くわけではありません。
「Overdose」には、短い時間でも覚えられる声とリズムがありました。
TikTokなどの動画では、曲の一部分だけが使われることもあります。
その短い部分の中で、「この曲は何だろう」と思わせる何かが必要です。
「Overdose」は低い歌声が入った瞬間に、ほかの音楽との違いが伝わります。
私は最初に曲の一部を聴いたとき、歌詞の内容よりも声の温度が気になりました。
明るく元気に歌っているわけでも、悲しそうに歌っているわけでもありません。
少し離れた場所から話しているようで、近くにも感じます。
この不思議な距離感が、続きを聴きたくなる理由の一つだと思いました。
リズムも、SNSと相性がよかったのではないでしょうか。
曲の途中から聴いても、拍子をつかむまでに長い時間がかかりません。
数秒の動画でも体を揺らせる音があります。
短い動画で曲を知り、配信サービスで一曲を聴き、さらにミュージックビデオを見る。
このように、次の行動へ進める曲だったことが大きいと思います。
なとりさん自身が、最初から詳しいプロフィールをすべて見せていたわけではない点も気になりました。
顔や経歴より先に、音楽が届きました。
聴いた人は「どんな人が作っているのだろう」と考えます。
その疑問が、曲名や名前を検索するきっかけになった人もいるでしょう。
情報が少ないことを特別な作戦だったと断定することはできません。
それでも、音楽を先に知る順番になったことで、一曲そのものへ関心が集まったように感じます。
なとりの歌声と曲作りで気になったところ
なとりさんの曲を何曲か聴いて、私は歌声の使い分けが気になりました。
同じ声でも、曲によって届き方が違います。
「Overdose」では、力を抜いた低い声が中心です。
「絶対零度」では、言葉を前へ押し出す場面があります。
「プロポーズ」では、声の細さや間の取り方が曲の寂しさにつながっています。
どの曲でも上手に歌おうとしているというより、その曲に合う声を選んでいるように聞こえました。
私は、歌手の曲を続けて聴くと、似た歌い方が続いて少し疲れることがあります。
なとりさんの曲は、続けて流しても曲ごとに場面が変わります。
暗い部屋の中にいるような曲もあれば、外へ走り出すような曲もあります。
この違いがあるため、気分に合わせて選べます。
曲名も覚えやすいと思いました。
「Overdose」「絶対零度」「猿芝居」「プロポーズ」など、曲名だけを見ても少し気になります。
よく使われる言葉でも、曲の内容をすぐに説明しきる題名ではありません。
聴く前に想像し、聴いたあとにもう一度題名を見ると、最初とは違う意味に感じることがあります。
ミュージックビデオにも、曲を理解する手がかりがあります。
「Overdose」の映像は、次々と違う場所へ切り替わるような作りではありません。
限られた空間の中で人物が動き、色や家具、光が曲と結びついています。
私は映像を見たあと、曲だけを聴き直しました。
すると、さきほど見た部屋や人物の動きが頭に浮かびました。
曲を聴いたあとに映像を見ると、もう一度最初から聴き直したくなります。
聴くたびに新しい発見があるので、一曲を長く楽しめるのだと思います。
なとりはOverdoseの次に何を聴けばいい?
「Overdoseは知っているけれど、ほかの曲は分からない」という人も多いと思います。
その場合は、好きな音楽のタイプから次の曲を選ぶと迷いません。
速くて力のある曲が好きなら、「絶対零度」が合います。
静かな歌声をゆっくり聴きたいなら、「プロポーズ」を選んでみてください。
夜に流せる落ち着いた曲を探しているなら、「フライデー・ナイト」がおすすめです。
少し変わった音の組み合わせが好きなら、「猿芝居」から入ってもよいと思います。
私は「Overdose」のあとに「絶対零度」を聴きました。
二曲の差が大きかったため、ほかの曲も知りたくなりました。
同じ方向の曲から聴くより、少し違う曲を続けたほうが、なとりさんの曲作りを知ることができます。
なとりさんの代表曲が「Overdose」であることは、今のところ変わらないでしょう。
ただ、代表曲が一曲あるからといって、その一曲で音楽のすべてが分かるわけではありません。
「絶対零度」や「プロポーズ」では、「Overdose」とは別の声や音を聴けます。
最初は有名な曲から入って大丈夫です。
そこから自分の生活や気分に合う曲を見つけていくと、なとりさんの音楽をより楽しめると思います。

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