セカオワの歌詞が深いと言われるのは、難しい言葉が並んでいるからではありません。
私たちが普段、あまり気にせずにしている決めつけや、人との付き合い方を取り上げているからだと思います。
その特徴がよく分かる曲が「Habit」です。
「Habit」は楽しいリズムとダンスが先に目に入りますよね。
私も初めて見たときは、変わった振り付けが楽しい曲だと思っていました。
ところが、あとから歌詞の内容を知ると、思っていたよりも人間の少し困った部分を歌っていることに気づきました。
人をタイプで分けること。
自分の考えを普通だと思うこと。
周りと違う人を、知らないうちに遠ざけてしまうこと。
こうした誰にでも覚えがありそうな話を、重苦しくせずに届けているところが、セカオワの歌詞が深いと言われる理由です。
この記事では、「Habit」を中心に、セカオワの歌詞がなぜ心に残るのかを、自分が曲を聴いて感じたことと一緒に書いていきます。
セカオワの歌詞が深い理由は身近な話から考えさせられるから
セカオワの歌詞には、日常から遠く離れた話が出てくることがあります。
物語のような世界や、現実にはない場所を思わせる曲もありますよね。
それでも、曲を聴いているうちに、自分の生活とつながる部分が見つかります。
私はここが、セカオワの歌詞のおもしろいところだと感じました。
一度聴いただけでは、楽しい曲や不思議な曲として終わることもあります。
しかし、言葉を追っていくと、人との関係や孤独、自分の中にある迷いへ話がつながっていきます。
「Habit」も、最初から難しい問題を説明する曲ではありません。
人は相手を見たとき、つい「この人はこういう人だろう」と決めてしまう。
その身近な癖から話が始まっています。
私にも思い当たることがありました。
年齢や服装、話し方などを見て、まだ話してもいない相手を分かったつもりになることがあります。
悪気はなくても、頭の中で人を分けていたのだと思います。
「Habit」を聴いて、自分も同じことをしているかもしれないと気づきました。
曲から答えを教えてもらったというより、普段の自分を振り返るきっかけをもらった感じです。
セカオワの歌詞は、聴く人に「こう考えなさい」と強く迫りません。
身近な出来事を置いて、そのあとを聴く人に考えさせてくれます。
その余白があるため、聴く人の年齢や経験によって、受け取る内容も変わるのだと思います。
Habitの歌詞は人を分類する癖を取り上げている
「Habit」は、日本語では習慣や癖という意味を持つ言葉です。
この曲では、毎日の行動の癖よりも、考え方の癖が取り上げられているように感じます。
私たちは人と会ったとき、相手について短い時間で判断することがあります。
明るい人。
静かな人。
真面目な人。
変わった人。
このように分けると、相手を理解した気持ちになれます。
けれども、その分け方が本当に正しいとは限りません。
人には、外から見ただけでは分からない部分があります。
明るく話している人が、家では悩んでいるかもしれません。
無口な人も、慣れた相手とはたくさん話すかもしれません。
私も若いアーティストを見ると、以前は「若い人向けの音楽だろう」と考えることがありました。
実際に曲を聴く前から、自分とは世代が違うと線を引いていたのです。
でも、聴いてみると、年齢に関係なく分かる気持ちがたくさんありました。
「Habit」も、若い人の流行曲という気持ちで見始めました。
ダンスが話題になった曲ということは知っていましたが、歌詞まで気にしていなかったからです。
言葉の内容を知ったとき、これは若い世代に限った話ではないと思いました。
人を分類したり、周りの評価を気にしたりすることは、何歳になってもあります。
むしろ、長く生きて経験が増えるほど、「前にもこんな人がいた」と過去の記憶で相手を判断することもあります。
経験は役に立ちますが、ときには目の前の人をそのまま見る邪魔にもなります。
「Habit」は、そのことを説教のように伝えていません。
少し笑える雰囲気を交えながら、人間が無意識に続けている癖を見せています。
だから、責められている気持ちになるより、「自分にもあるな」と素直に考えられるのだと思います。
楽しいダンスと歌詞の内容に差があるから記憶に残る
「Habit」を知ったきっかけが、ダンスだった人も多いのではないでしょうか。
私も最初に目に入ったのは、曲の内容より振り付けでした。
メンバーが体を曲げたり、少し変わった動きをしたりする姿がおもしろくて、つい見てしまいました。
一緒に踊りたくなるというより、「次はどんな動きをするのだろう」と気になったのを覚えています。
曲のリズムも軽やかなので、最初は明るく楽しむための曲だと思っていました。
ところが、歌詞が扱っているのは、人の決めつけや矛盾です。
音とダンスは楽しいのに、言葉は自分の考え方を振り返らせます。
この差があるから、曲の内容があとから残るのだと思います。
最初から重い音で人間の問題を歌っていたら、身構えてしまう人もいるでしょう。
「難しそう」と思って、歌詞まで読まないかもしれません。
「Habit」は、楽しい曲として人を引き込み、その中で少し考える時間を作っています。
私は歌詞を知ったあとに動画を見直しました。
すると、最初はおもしろいと感じた動きにも、人を型にはめることへの皮肉が含まれているように思えてきました。
もちろん、振り付けの意味については、受け取る人によって考えが違うと思います。
それでも、ダンスと歌詞を一緒に見ることで、曲を最初に聴いたときとは違う発見がありました。
セカオワの曲には、音だけを楽しんでも成立するものがあります。
その一方で、言葉を知ると、曲の中にもう一つの話が見つかります。
入口は親しみやすく、奥へ進むと考えるものがある。
この作り方が、何度も聴きたくなる理由の一つではないでしょうか。
Habitから見える人間の矛盾は自分にも当てはまる
人は「個性が大事」と言います。
その一方で、周りと違う人を見ると、距離を取りたくなることがあります。
「人を決めつけてはいけない」と分かっていても、無意識に相手を分類してしまいます。
「自分らしく生きたい」と思いながら、周りからどう思われるかも気になります。
こうした矛盾は、特別な人に限った話ではありません。
私自身にもあります。
若い頃は、年上の人から決めつけられることが嫌でした。
それなのに、自分が年齢を重ねると、今度は若い人に対して「最近の若い人は」と考えてしまうことがあります。
同じ人間なのに、立場が変わると考え方も変わるのですね。
「Habit」を聴いていると、そんな自分の都合のよさにも気づきます。
ただ、この曲は人間の矛盾を厳しく追い詰めてはいないと思います。
人にはこういうところがあるよね、と少し離れた場所から眺めているように感じました。
そのため、自分の欠点を指摘されたというより、自分を知るための鏡を渡された気持ちになります。
私は、人の考え方の癖は、完全になくせるものではないと思っています。
知らない相手を理解するとき、これまでの経験を参考にするのは自然なことです。
大切なのは、自分の最初の判断がすべてではないと知っておくことではないでしょうか。
「この人はこういう人だ」と思ったあとに、「でも、まだ分からない」と考え直す。
その小さな間があるだけで、人との接し方も変わる気がします。
「Habit」は、聴いた人を別人に変える曲ではありません。
でも、自分の中にある決めつけを一度止めて見るきっかけにはなります。
私はそこに、この歌詞の深さを感じました。
セカオワの歌詞は聴く人の経験で意味が変わる
セカオワの歌詞は、すべての意味を細かく説明してくれるわけではありません。
だからこそ、自分の経験を重ねながら聴けるのだと思います。
若い人が「Habit」を聴けば、学校や友人関係を思い浮かべるかもしれません。
働いている人なら、職場で人を役職や立場によって判断した経験を思い出すかもしれません。
私のように年齢を重ねた人なら、世代の違いについて考えることもあるでしょう。
同じ曲でも、聴く人によって思い浮かべる場面が違います。
その違いがあるため、曲が発表されてから時間がたっても聴き直せます。
私も以前は、歌詞は若い頃の方が強く心に入ってくるものだと思っていました。
しかし、今は、年齢を重ねたから分かる言葉もあると感じています。
若い頃には気に留めなかった内容が、自分の経験とつながることがあります。
反対に、若い人の受け取り方を知って、「そういう考え方もあるのか」と教えられることもあります。
セカオワの歌詞には、物語のように聴ける曲もあれば、日常にある問題を思い出させる曲もあります。
「Habit」は、人の考え方の癖を通して、他人との向き合い方を考えさせる曲だと私は受け取りました。
ダンスを見て楽しいと感じた人も、ぜひ一度、言葉の内容にも目を向けてみてください。
最初に聴いたときとは違う部分が気になるかもしれません。
そして、自分には関係のない話だと思わず、普段の生活を少し思い出してみると、この曲が伝えていることを身近に感じられると思います。

コメント