ヨルシカが人気の理由は?歌詞と曲の魅力を感じたこと

ヨルシカが人気なのは、歌詞、歌声、音作りが重なり、聴くたびに違う景色が見えるからだと私は感じます。

初めて聴いたときは、爽やかな曲だと思いました。

ところが歌詞を追ってみると、思っていたより切なくて驚いたんです。

明るく聴こえるのに、心の中には少し寂しさが残る。

この不思議な感覚が、ヨルシカを何度も聴きたくなる理由なのではないでしょうか。

ここでは、ヨルシカが人気を集めている理由を、実際に曲を聴いて感じたことと一緒に紹介します。

ヨルシカが人気の理由は一つではない

ヨルシカは、n-buna(ナブナ)さんがギターと作詞・作曲を担当し、suis(スイ)さんが歌うバンドです。

2017年からヨルシカとして活動しています。

ヨルシカの人気について考えると、何か一つだけが飛び抜けているというより、いくつもの魅力が重なっているように感じます。

私が特に大きいと思ったのは、次の4つです。

  • 歌詞の先に物語が見えてくる
  • suisさんの声が曲の景色に合っている
  • 爽やかな音の中に寂しさがある
  • メンバー本人より作品に目が向く

私は最初、「ただ君に晴れ」の軽やかな雰囲気に引かれました。

でも、何度か聴くうちに、明るい夏の歌とは少し違う寂しさも感じるようになりました。

戻れない時間を思い出しているような、少し苦い気持ちも伝わってきたんです。

一度聴いただけでは気づかなかったものが、あとから見えてくる。

そこがヨルシカの面白さだと思います。

歌詞から一つの物語を想像できる

ヨルシカの歌詞には、出来事のすべてが説明されているわけではありません。

誰が誰を思っているのか。

なぜ離れてしまったのか。

歌の前後に何があったのか。

はっきり書かれていない部分もあります。

でも、分からないから置いていかれるのではなく、「この人には何があったのだろう」と考えたくなるんですよね。

たとえば「だから僕は音楽を辞めた」は、曲名だけを見ると、音楽をやめた人の話に思えます。

実際に聴くと、音楽への未練や怒り、誰かに分かってほしい気持ちまで混ざっているように聞こえました。

私はこの曲を聴いたとき、音楽を嫌いになったというより、好きだからこそ苦しくなった人の歌なのかなと思いました。

このように、聴いた人が自分なりの物語を作れるところが、ヨルシカの歌詞の魅力です。

同じ曲でも、その日の気分によって受け取り方が変わります。

学生のときに聴く場合と、大人になってから聴く場合でも、心に残る言葉は違うかもしれません。

一度聴いて終わるのではなく、時間がたってからもう一度聴きたくなる。

それが、長く人気が続いている理由の一つだと思います。

小説を読むようにアルバムを楽しめる

ヨルシカは、1曲の中だけで物語を作っているわけではありません。

アルバムの曲を順番に聴くと、物語が少しずつ見えてくる作品もあります。

1stフルアルバム「だから僕は音楽を辞めた」は、音楽を辞める青年がエルマへ向けて作った曲を収めた作品です。

続くアルバム「エルマ」では、その物語を別の側から感じられます。

アルバムに物語が込められていると知り、曲のつながりまで楽しめることに驚きました。

最初は好きな曲だけを聴いても楽しめます。

そこから別の曲を聴き、アルバムに込められた物語を知ると、最初に聴いた曲まで違って聞こえてきます。

小説の途中から読み始めて、気になって最初のページへ戻る感覚に少し似ています。

「盗作」には小説が付いた仕様もあり、ヨルシカが音だけでなく、言葉や物語も大切にしていることが分かります。

曲を入口にして、物語の奥へ少しずつ入っていける。

この楽しみ方は、ほかの音楽とは少し違うヨルシカらしさだと思います。

suisさんの歌声が切ない歌詞に合っている

ヨルシカの曲を聴いて、まずsuisさんの声が好きになった人も多いのではないでしょうか。

高い音までよく通るのに、強く押される感じではありません。

透明感がありながら、冷たすぎない声です。

私は「花に亡霊」を聴いたとき、歌声が風のようにすっと入ってくると感じました。

声だけを聴くとやわらかいのですが、歌詞には失った時間を思うような寂しさがあります。

その差が心に残りました。

「春泥棒」では、明るい春の景色が浮かぶ一方で、今あるものがいつか失われるような感覚も伝わってきます。

suisさんは、大きな声で悲しみを訴える歌い方ではありません。

それでも、言葉の終わり方や少し息を含んだ声から、気持ちが伝わってきます。

聴く人に感情を決めてもらうのではなく、受け取る余地を残してくれる声なんですよね。

だから、うれしい日にも寂しい日にも聴けるのだと思います。

明るい音と切ない言葉の組み合わせが耳に残る

ヨルシカの曲には、ギターが軽快でテンポのよい曲がたくさんあります。

何も考えずに聴けば、爽やかな曲として楽しめます。

ところが歌詞に目を向けると、後悔、別れ、届かなかった思いなどが見えてきます。

私は、この音と歌詞の違いに引かれました。

切ない歌詞を、最初から最後まで重たい音で聴かせるのではありません。

音は前へ進んでいるのに、心だけが過去に残っているように感じる曲があります。

「雨とカプチーノ」も、題名からはおしゃれで穏やかな曲を想像しました。

実際には、雨の日に昔のことを思い出すような、ぼんやりした寂しさが残ります。

ただ暗いだけではなく、どこかきれいで、もう少し聴いていたくなる。

このバランスを作っているのが、n-bunaさんの音作りなのだと思います。

季節や景色が頭の中に浮かんでくる

ヨルシカの曲には、夏、雨、月、花、風など、景色を思い浮かべる言葉がよく登場します。

ただ季節を説明しているのではなく、その景色と人の気持ちが重なっているように感じます。

「ただ君に晴れ」を聴くと、強い日差しや青い空が浮かびます。

でも、明るい夏の真ん中にいるというより、過ぎてしまった夏を遠くから見ているような気持ちになります。

私は夏の終わりにこの曲を聴くと、昔のことまで思い出します。

歌詞と同じ経験をしたわけではありません。

それでも、自分の記憶と曲の景色が自然につながるんです。

ヨルシカの曲は、聴いた人の頭の中に映像を作る力が強いと思います。

ミュージックビデオを見ていないときでも、自分だけの場面が浮かびます。

そのため、通学や帰宅途中、夜に一人で過ごす時間にも合うのではないでしょうか。

顔よりも作品の世界に目が向く

ヨルシカは、メンバー自身の姿や私生活を前面に出すというより、音楽や映像、物語を中心に見せています。

そのため、最初に曲を聴いた人は、歌っている人の年齢や見た目よりも、作品そのものに目が向きます。

私は、この距離感もヨルシカの魅力だと感じました。

アーティスト本人の情報が多いと、曲を聴く前から人物のイメージを持つことがありますよね。

ヨルシカの場合は、先に声や言葉が心に入ってきます。

誰がどのような経験をして書いたのかを考えるより、自分がどう感じたかを大事にできます。

ミュージックビデオも、登場人物やアニメーション、風景によって曲の世界を広げています。

映像を見てから曲を聴き直すと、最初とは違う場面が浮かぶこともあります。

音楽、言葉、映像を一つの作品として楽しめることも、ヨルシカが多くの人を引きつける理由なのでしょう。

若い世代以外にもヨルシカが響く理由

ヨルシカは、若い世代を中心に支持されてきたバンドです。

ただ、曲の内容は若い人だけに向けられたものではないと私は思います。

過ぎた時間を思い出す気持ち。

好きだったものを続けられなくなる苦しさ。

大切な人に言えなかった言葉。

こうした気持ちは、年齢に関係なく経験するものですよね。

私も最初は、若い人に人気のあるおしゃれな音楽なのかなと思っていました。

ところが聴いてみると、昔を振り返るような曲が多く、大人のほうが強く感じ取れる部分もあると思いました。

特に、夏や春の景色と昔の記憶が重なる曲は、年齢を重ねてから聴くと少し違って聞こえます。

若い人は今の悩みを重ね、大人は過ぎた時間を重ねる。

同じ曲を、それぞれ違う場所から聴けることが、ヨルシカの人気を広げているのではないでしょうか。

ヨルシカを初めて聴く人におすすめしたい曲

ヨルシカを初めて聴くなら、私は次の曲から入ると魅力が分かりやすいと思います。

「ただ君に晴れ」は、軽やかな音と懐かしさを感じる歌詞を一緒に味わえる曲です。

「だから僕は音楽を辞めた」は、ヨルシカの物語性を知りたい人に向いています。

「花に亡霊」は、suisさんの透明感のある声をゆっくり聴きたいときに合います。

「春泥棒」は、美しい季節と失われていく時間が重なる感覚を味わえる曲です。

最初から歌詞の意味をすべて理解しようとしなくても大丈夫です。

まずは音や声を楽しみ、気になった言葉があれば、もう一度聴いてみる。

そのくらいの入り方が、ヨルシカには合っている気がします。

聴くたびに小さな発見があるので、好きな1曲から少しずつ広げてみてください。

ヨルシカが人気の理由を聴いて感じたこと

ヨルシカが人気の理由は、文学的な歌詞やsuisさんの歌声だけではありません。

n-bunaさんが作る軽やかな音、曲の奥に続く物語、季節が浮かぶ言葉、作品を中心にした見せ方。

それらが重なり、ヨルシカにしかない世界を作っています。

私が特に魅力を感じたのは、曲の意味を一つに決めなくてもよいところです。

最初は爽やかな曲として聴き、次は切ない歌として聴く。

時間がたってから聴くと、自分の思い出まで重なる。

同じ曲なのに、そのときの自分によって違って聞こえるんですよね。

ヨルシカの曲は、分かりやすい答えを渡してくれる音楽ではありません。

だからこそ、聴いたあとも言葉や景色が心に残ります。

「また聴いて確かめたい」と思わせてくれること。

それが、ヨルシカが長く愛されている一番の理由なのかもしれません。

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